ぶちぶち日記 -6ページ目

雪の夜話 / 浅倉卓弥

26歳頃の青年が自分らしく生きることに目覚める物語を、ファンタジーを絡めて書くというのがなんだかミスマッチな一冊でした。


現代では、25、6歳の立派な成人男性といえど、この物語程度のことでバランスを失ってしまうのでしょうか。 いや、大事なことではあるし、基本的なことでもあるし、軽視すべきことではありませんが。 いやいや、結構現実はこんなものかも。。。 いずれにしろ、不思議な体験を経なければ学べないようなことではないように思えます。 


第一、この物語でいくと、主人公が社会に適合できない人のようですが、単に少々不器用なだけで、欠点だとは思いません。 こういう人、結構いませんか? それなりに尊敬を集めるタイプではないかとさえ思います。 彼が彼のままであっても、私は惚れるかもしれません。


印刷会社でデザインの仕事をしている場面が一番おもしろくて、私としては、人と仕事の中から学ぶ物語のほうが好きになったかも。 美しいけれど、力強さや生命感に欠ける印象です。


実際、雪の場面の描写は美しくて、何とも知れない光に蒼く浮かぶ雪景色があざやかに目に浮かぶようでした。 「色」をキーワードにして物語を紡いだこと、なかなかだと思います。

FIRE HOUSE 〔本郷三丁目〕

念願の高級ハンバーガーを食べに行ってきました。 「FIRE HOUSE 」です。


4年前にハワイに行ったとき、「クアアイナ」を知りました。 高いけど、おいしいらしい。 結局食べに行けませんでしたが、その名が心に刻み付けられてしまいました。 


ファストフードしか知らないので、1000円を越えるハンバーガーなんて、冗談としか思えませんでした。 でも、ちゃんと作ったハンバーグに付け合せとパンだったら1000円以上だってぜんぜん不思議じゃないわけです。 


最近、あるブログのリンク先で、さまざまなハンバーガーが紹介されていて、その充実度とおいしそうな写真に食欲が刺激されまくり。 おまけに、数日前の朝日新聞にハンバーガーの特集記事が! そこにWebで見たこのお店も含まれていたのです。 丁度、東京ドームで巨人-横浜戦を見る予定だったので、これはもう行くっきゃないと。


3時過ぎに店に到着。 有名店といえども、この時間ならガララーガかと思いきや、7人くらい並んでいます。 新聞記事の影響もあったかもしれませんが、いやがうえにも期待が高まります。 


幸い回転が速く、10分足らずで着席できました。 オーダーは連れともども「アボカドバーガー」です。 待つことしばし。 高さが10センチはあろうかという熱々が運ばれてきました。 迫力満点です。


早速かぶりつきたいところですが、中のアボカドがツルツルすべって持ち上げられません。 散々苦労して、皿に用意されていた袋状のナプキンに入れられました。 がぶ! 柔らかくてジューシーなパティ。 焼けたひき肉の香ばしい香りが鼻に抜けていきます。 アボカドは、その量に反して意外にも存在を主張せず、全体のハーモニーにまったりと溶け込んでいます。 お、おいしいじゃないかー!


天然酵母のバンズは、最後の一口までふわっふわ。 そこらのチェーンのだったら、熱と蒸気でぺったんこになってるところでしょう。 おいしくて、夢中で食べ続けていたのですが、この最後のひとかけらを見たとき、本物はこういうものなのかと実感したのでした。


付け合せのフライドポテトも、皮付きでホックホク。 抑えた塩味でポテトの味がじんわりと味わえました。 大きなピクルスは私には少々しょっぱめでしたが、いいアクセント。


アーリーアメリカンの雰囲気が漂う薄暗くこじんまりした店内で、くつろいで食べたハンバーガー。 ハンバーガー探訪熱に火がついちゃった気がします。 連れと、また来ようね、とか他の店にも行ってみたいねとか、熱く離してしまいました。 二人とも体重が悩みのタネなのに。。。

『指輪物語』の真実 / マーク・エディ・スミス

「指輪物語」が好きです。 読む側が心を使って読めば読むほど、深い広がりをみせてくれ、新しい発見がある物語だと思っています。 また、読んだ時の年齢や心理状況によって、琴線にふれてくるキャラクターが異なったりする物語です。 だから、何度でも手にとってしまいます。 長大ですから、部分的読書になることが多いですが。


さて、本書。 幼少より12回以上読み通してきたクリスチャンの著作ということで、物語を楽しむガイドというよりは、キリスト教的観点からの解説という色合いがとても濃いものとなっています。 


こういう切り口から読むことも興味深くはありますが、本書を読んでいると、どうも登場人物たちが堅苦しく思えてきていけません。 研究するために読むなら結構ですが、本書で楽しもうという人の必読書とはいえそうにありません。


でも、こういう人たちが、欧米における指輪人口の根っこなんだろうな。。。

てるてるあした / 加納朋子

「ささらさや」の続編ということですが、どちらかというとスピンオフという感じです。 佐々良に暮らすさやと周囲の人々のもとに、ひとり夜逃げしてくる少女が主人公です。


この主人公、15歳にして随分ひねくれています。 可愛げがないのです。 人の好意には裏を疑うし、一言多いし、僻みっぽいし。 けれど、その心根は意外に素直です。 トゲだらけの殻の奥でもがく不安だらけの心がいとおしく思えます。 昔、私もこんなふうに身構えていましたっけ。 


きびしいながら懐の深い老女と、肩肘張って懸命な少女の毎日。 長くは続かないその日々から生まれ出る新しい少女の未来に乾杯。

天の前庭 / ほしおさなえ

謎が謎を呼び、物語にぐいぐい引き込まれました。 で、出てこられなかった(笑) もしかしたら、作者自身出てこられずにいるのかも? ミステリ・フロンティアは、気鋭が書くミステリの叢書だということですが、まさに良くも悪くも気鋭らしい作品だと感じました。


せっかくの物語が、上手に終われていないように思います。 途中までが非常におもしろかっただけに、もったいない感じです。 いや、やはりミステリははっきりオトシマエをつけていただかねば! 


とはいえ、文章がとても小説の雰囲気にあっていたのが良かったです。 「ヘビイチゴ・サナトリウム」も読んでみようかな?

ライオンズ 2-4 ホークス

一体全体どういう試合だったのでしょう? 


監督の采配ぶりからは勝利への執念が感じられませんでした。 いや、いつも執念を感じるかというと、とてもそうは言えないのがミソなのです。 何故代打(代走)を出さない! とか何故ここで○○登板? とか、ファンからすれば試合を投げたようにさえ見える采配が続いたこの一年だったのですから。 


今後の試合の為に、いろいろ試したかったこともあったでしょう。 プレーオフ進出を確実にするために負け試合を演出したとは思いません。 しかし、誤解を招く采配であったのは事実です。 


現にここにひとり、もんもんとしているファンがいるのです。 おそらく、今日球場にいた多くのファンが同じような思いを抱いたに違いありません。 ああ、悔しい。 監督は、今日の観客の声援をどう聞いていたのでしょう。 松中のホームランでため息をつき、チャンスでにわかに元気に盛り上がった私たちの気持ち、届いていたでしょうか。
 

少なくとも私にとっては、シーズンの勝負>プレーオフ進出 でした。 選手たちはいつものようにヘタレていただけで、真剣に勝負していたと思います。 勝て!って言ったって、簡単に勝てる相手ではないけれど、勝って欲しかったですよ、伊東監督。。。

祝: 喜: 願: 3位確定

スポーツの醍醐味を味わいました。 春、怒涛のやらかしで2軍へ下った後藤武敏が、復活の狼煙をあげました。 


順風満帆に強さを発揮するチームを応援するのは実に楽しいことですが、苛立ち、腹立ち、無力感を乗り越えて得る喜びは何にも増してうれしいものです。 


プレーオフを経て日本一になった昨年の経験が、若手をどんなにか成長させたことかと、胸を躍らせた秋冬。 しかし開幕してみれば、選手一同劣化したかのようなお粗末な試合が相次ぎました。 まさか、驕ってしまった? 気が緩んだ? もどかしさのあまりラジオのスイッチを切ったことが何度あったか。 


順送りのように2軍へ下っていく若手たち。 チームには、ベテランたちに再調整させる余裕もありません。 明るく振舞う陰で、皆どれだけの焦りがあったことか。 


昨年の快進撃とはうらはらに、不振と怪我にあえいだ中島。 2年目のジンクスだったでしょうか。 でも、思うに若いこのライオンズというチーム自体が2年目のジンクスにはまっていたのかもしれません。 監督でさえも。


9月の空気が、彼らに昨年のプレーオフから日本シリーズにかけての自分たちを思い出させてくれたのでしょうか。 まだまだ掛け違ったような部分が多いけれど、何かが変わりつつある気がします。


守備練習を積んで帰ってきた栗山。 怪我を乗り越えてきた佐藤友。 信じられないほどの不振から少しずつ向上してきた和田。 体質改善(?)で第二成熟期(?)の西口。 微妙発言を経てまた少し大人になった松坂。 苦節8年目覚めの時を迎えた宮越。 プロ13年で子供にホームランボールを初プレゼントできた田原。 枚挙に暇がありません。 どの選手にもドラマがありました。 その経験が宝物、ひとりひとりが宝物です。 


立ち上がりかけたのに再び怪我に泣く河原、宮越、カブレラらの想いを合わせて、今しばらく歯をくいしばってがんばって欲しいと思います。 不備のあるルールですが、そのルールのお陰で日本一にもなったのだから、プレーオフに出られなくなる可能性も甘んじて受けましょう。 (でも、早くよりよいルールを作って欲しい!) 


台風が来ようが、明日は応援に行きます。 今日のように喜ばせて!

いたたた

なんてこった!


ベーグル4個作っただけで、筋肉痛です! なぜか腹筋にきてます!

BAGEL & BAGEL オリジナル・レシピ集

早速焼いてみました。 お尻の重い私にしてはめちゃ早い!


「最強力粉」などというものが、地元スーパーにはなかったので、とりあえず日清のカメリアという強力粉と、おそろいのドライイーストを買ってきました。 他には、三温糖と塩があればできちゃうんですよー!


手順そのものはとっても単純。 材料を量って、こねて、醗酵させて、茹でて、焼く。 本と首っ引きでも2時間かからない作業でした。 ただし、できた生地を成型するあたりが難しいのです。 小さな写真がいくつか載っているのですが、知りたい場面の写真がない! 生地を折ってのばして丸めるあたりはもう少し詳しい説明と写真が欲しかったです。 みんなはわかるのかしらん。


非常にぶっさいくなベーグルが4個出来上がりました。 焼きが甘いのか、妙に色白。 茹でる時に煮立ちすぎたのか、しわしわのでこぼこ。 でも、とってもいとおしい!


まだ熱いのを食べてみました。 うわー、もっちもち! これはほんとにパンですかー!? でも、やわらかすぎ。 これは、ベーグルというよりポンデケージョだ(笑) 噛みごたえのあるベーグルには程遠いけれど、ズブの素人のデビュー作としてはかなりおいしいのではないかと思います。 はまりそう。


本には、他にクリームチーズのバリエーションがたっぷり、サンドイッチもたっぷり掲載されています。 写真もきれいだし、絶対買わなくちゃ。 もうすぐブラウニーのベーグルの発売日だし、楽天に新しいパン屋さんができてオープニングキャンペーンをやっていたりするけれど、自作でいいや!

梅咲きぬ / 山本一力

どうやら、山本作品に食傷してしまったようです。 ただ者でない人が、ただ者でない人々と、アジなことをして街中をうならせたり、尊敬を集めたり、心酔させたりする話が多すぎて。。。 


今回のただ者でない人は、料亭江戸屋の4代目女将です。 代々優れた女将が築いてきた店を、子供時代から名女将の片鱗を見せる若女将が継ぐお話。 優れた店には、当然優れた板さんがいて、仲居も優れていて、付き合いのある人々もみな「わかった」人たち。 素晴らしい人に囲まれて、素晴らしい子供が素晴らしい成長をして、素晴らしい女将になる。 きっとこの先素晴らしい子供を育てて、素晴らしい店がずっと続いていくのでしょう。 素晴らしい。


なんか、嫌味な書き方になりました。 別に、この作品が駄作だというわけではないのです。 これ一冊を読むなら、とてもおもしろいと思うのです。 お菓子を新作するくだりや、騙り一味を迎え撃つくだりなど、ページをめくる手が早まります。 もう少し、いろいろなタイプの人間が登場したら、深みがでてきそうなものですが。 


しばらく山本絶ちをしたほうが良さそうです。。