ぶちぶち日記 -30ページ目

かもめの玉子

子供の頃の私は、上質な和菓子を与えられなかったせいか、和菓子が大嫌いでした。 

お餅は大好きだったので、大福は皮だけもらいました。 お饅頭はあんこの周りに水気のない皮がついているだけのまずいお菓子。 黄身餡なんてぼそぼそでやたら甘くて大嫌い。 カステラ(和菓子?)は大きくて甘いだけで変化がないからすぐに飽きる。 最中なんて最悪!(ただし求肥が入っている場合はそれだけ食べる) 干菓子? 言語道断!

しかしある日、会社の出張みやげで岩手の銘菓「かもめの玉子」に出会ってしまったのです。 いかにも饅頭ですというその形。 聞けば黄身餡。 食べたくない。 でも食べなくちゃ悪いし。 

いやいや一口齧ってみると! しっとりと薄い皮に更にホワイトチョコレートがコーティングされていて、それがほわりと口の中で崩れていきます。 結構おいしい。 洋菓子の風情が漂っています。 もう一口。 ねっとりと重い黄色い餡が舌にまとわりつきます。 このクリーミーさは、いったい何? 原材料をみると、練乳の名があります。 このふんわりと広がる絶妙な餡は、練乳と白餡のなせるハーモニーだったのです。 練乳万歳。 もう一口。 また一口。 瞬く間に玉子ひとつ食べてしまいました。 もっとおくれ!

以来、東北方面へ行く人がいるとおねだりしていたのですが、最近スーパーでも見かけるようになりました。 目の毒です。

今日、お茶菓子を求めて歩く私の目に「かもめの玉子」が飛び込んできました。 30%引きの赤いシール付きで。 賞味期限は21日。 まだまだ間があります。 2袋も買ってしまいました。 罪悪感と幸せが心のなかでせめぎあっています。。。

とかいって、すっごく幸せ! 今2個、食べちゃったもん! しばらくはご機嫌だよ!

新しい趣味

新しいアク取りを買いました。 無印良品の、たしか450円のものです。

今日のメニューは山形の「芋煮鍋」。 牛肉と鶏肉をダシで煮て、アクを取ります。 早速おニューの出番です。 鼻歌交じりにアクをすくう、すくう。 気持ちよいほど取れます。 今まではお玉で取っていたので、ダシを一緒に掬わざるを得なかったのですが、網にはアクしか残らない。 おお、本当のアク取りとは、こういうものをいうのだー!と家族を鍋の周りに呼び寄せうなずきあいます。 

ところが、よく見るとアクでないものも網の上でとろとろしています。 何だろう? 

油でした。 鶏皮からでた油が溜まっているのです。 「アクも油もとるシート」というような名前の商品がありますが、網杓子でも取れるのですね! 楽しくなってアク&油取りに熱中した結果、大さじ3くらいの油がとれました。 

鶏の皮ってカロリーが高いわけですが、コラーゲンが摂れるので捨てるのももったいない! でもこれからは迷わず使って油だけ除くことができるわけです。 アク取りの網の上に油を溜めていくのはクセになる楽しさ。 もう、趣味です。 しあわせです。

さて、出来上がった芋煮は薄味なのに素材の味が際立つおいしさでした。 油がぜんぜん浮かんでいないので気が大きくなり、いつもよりたくさん食べてしまったのは内緒です。

毒が吐けません。

なぜ「ぶちぶち日記」を書こうとしたか。 心にいろいろ溜め込んでいるから、「王様の耳はロバの耳」の穴にしちゃおうと思ったからです。 

何を書こうとしたか。 小姑の憤懣あれこれです。 某国からきた弟の嫁さんに耐えられないのです。

なのに、書けない~(ToT)

書き始めたら、際限がなくなりそうな予感です。 書くからにはとことん本当のことを書きたいけれど、本人たちに読まれたら修復不可能になりそうな予感です! 自分の真っ黒なところまで直視させられそうな予感です!!

吐け~。 吐いてしまえ~。 吐いたらラクになる~。 


。。。もうちょっと時間がかかりそうです。 え?んなもん、読みたくない? ふむ。

お鍋というたら。。。♪

庭になったというゆずを5つほどいただきました。 皮を削って何度か料理の香り付けに使い、はげちゃびんのをお風呂に浮かべて楽しんでいます。 

お風呂屋さんのゆず湯って、ゆずがまるごところりんころりんと浮いています。 中の果汁を搾って投入したりはしていないようです。 何か理由があるのかな? しみのもとになるとか? で、果汁がもったいないので、ポン酢作りに挑戦してみることにしました。

我が家のお鍋はたいていポン酢で食されます。 ポン酢をちょっと贅沢にすると、お安い材料でごまかした鍋でも、おいし~い! でも、手作りしたことはないのです。

ネットで検索してみると、人によって千差万別の作り方です。 適当に手をかけて適当に簡単そうなレシピを選んで早速作ってみました。

果汁を搾る。 酒とみりんを煮きる。 しょうゆを加える。 冷ます。 果汁と米酢を加える。 かつおぶしと昆布を入れて1週間ほど寝かす。 以上。

食べられるのは1週間後です。 思ったより香りがしないようなのですが、大丈夫でしょうか。 

うれしいけど!

犯人に告ぐ / 雫井脩介(双葉社)
月夜駕籠 / 伊藤桂一(新潮社)
火天の城 / 山本兼一(文芸春秋)
ひたひたと / 野沢尚(講談社)
翻訳者の仕事部屋 / 深町眞理子(筑摩書房)
赤い霧 / ポール・アルテ(早川書房)

忙しい12月だというのに、予約本が大挙して押し寄せてきました! 読めるのか?

七月七日 / 古処誠二

NHK大河ドラマ「山河燃ゆ」の原作になった「二つの祖国」(山崎豊子)を思い出しました。 敵味方にはっきりと線を引くことが出来ない人々の存在を知ったのはこのときです。

意識はアメリカ人。 体は日本人。 心は・・・日系二世。 どちらの気持ちも分かるのに、どちらからも色眼鏡で見られてしまう。 真意が伝わらない。捕虜と心の奥底で理解しあっても、大局が無残に押しつぶしていく。 皆、死んで行く。 

日米どちらの視点も併せ持つ語学兵の立場からみた戦争は、美化のされようもなく、ただただむなしいのみでした。 

このミス2005

早速「このミステリーがすごい!2005年版」を購入しました。 毎年のお楽しみです。 ネットを使えなかった頃は、このミスのおかげで読みもらした本をたくさん取り返しました。 タイトルだけで敬遠していた本を読むきっかけをもらいました。 ネットでプロ・アマ問わずたくさんの書評を読めるようになりましたが、コンパクトにこれだけの評が載っているのはやはり貴重です。 

図書館で予約してある本がたくさんランクインしています。 期待が高まりますが、3ケタの人が待つ本もあり、私が手に出来るのは来年の夏くらいだったりして。。。

香港の甘い豆腐 / 大島真寿美

17歳彩美。 夢も希望も自信もやる気もない。 それは「父親がいない」せいだとなんとなく思っている。不登校が母親にばれた日、「どうせ父親も知らない私ですから」と言ってみたら、香港に連れて行かれた。

その街の人々は、パワーに溢れている。 あるがままの彩美を受け入れ、あるがままの自分を見せる。 人の思惑をはかりかね、人との距離に悩んでいた彩美には新鮮な体験。 言葉の通じない街で独り小さな冒険をしてから彩美のなかの何かが変わる。 毎日少しづつ変わっていって、ある日「私と私がいる世界」に気づく。


両親が揃っていても、「家庭が平凡である」ことさえ言い訳に出来てしまう高校生の頃。 決して彩美ひとりが特殊なのではなく、「自分探し」にいたる過程として多くの人が経験したのではないでしょうか。 起伏のあるストーリーではありませんが、彩美の成長につれて際だってくる脇役の存在(特に祖母がいい!)が光ります。 私はどうやって目覚めたのでしたっけ。 。。。いや、まだ目覚めていないかも(汗)

話が少しそれます。 香港の女性のセリフに「(前略)おそらく、日本の人たちは先に考えるのでしょう、この人は今お茶を飲みたいのかしら、飲みたくないのかしら、って。それで失礼がないように振舞うのでしょう。慮るのです。(後略)」というのがあります。 思い当たります。 そしてどうしたらよいのか判らなくなってしまうという綾美セリフもよく判ります。 昨今、「余計な気遣い」「わずらわしい」「めんどう」などの声を聞きますが、それでこそ日本人だとも思うのです。 やりすぎはダメですけど、気を遣おうとする姿勢は大事ではないかと思うのです。 「人は人」を徹底しすぎると殺伐としてきそうです。 もっとも私は彩美タイプで、気疲れして引っ込んでしまうたちなので、成長せねば。

ブラフマンの埋葬 / 小川洋子

終わりを予感させながら淡々とつづられる動物(ブラフマン)と青年の物語です。 山本容子の表紙がとてもきれいです。

見守るだけの彫刻師、歩み寄りを見せないレース編み作家、拒絶する雑貨屋の娘など、ブラフマンと青年の環境は好意に満ち溢れているわけではありません。 しかし小川洋子の筆は全てを許容する懐の深さのようなものを感じさせ暖かいのです。 前作「博士の愛した数式」のように。

その交流は穏やかで心を和ませてくれますが、相手が動物で「哀しみ」や「苦しみ」を見せないせいか、埋葬のシーンでも前作でおぼえた哀切な感情は起こりませんでした。 読後の余韻もさほどなく、さらりとしています。 ほっとため息ひとつで終わるような。 午後のお茶のような読後感です。

それにしても、ブラフマンは何だったのでしょう? 最初は犬かと思いましたが、感情を表すようなしっぽといわれてたぬきとリスを連想し、水かきがあることでビーバーかと思い、おそらく日本が舞台なのでかわうそに落ち着いたのですが。

武士の家計簿 / 磯田道史

他人の家計簿(を解説したもの)を読んで涙をこぼす事になろうとは! 

幕末から明治にかけてのある武家の経済を著者が古文書から浮かび上がらせてくれます。 年収の2倍の借金を家財道具を売り払って返そうとする姿。 連れ歩いている家来より小遣いが少ない当主の悲哀。 苦境を脱するために子供たちに英才教育を施す熱心さ。 勤勉さが花開き少しづつ昇進していく晴れがましさ。 数字がこれほどまでに雄弁に物語るものとは知りませんでした。 思わず一家の一員となり手に汗を握ってしまいます。

江戸時代の経済の構造やその崩壊が一つの家族の家計簿に密接に結びつくことが面白かったです。 歴史小説や時代小説を読む時の基礎知識が増やせるのも魅力です。 

この本は、購入することにします。