ぶちぶち日記 -28ページ目

心を感じ取る

箱根駅伝が終わりました。 駒澤大学の4連覇、お見事です。 アンカーが泣きべそ顔でゴールに飛び込む姿にはちょっとジーンときました。 野次馬としてはそろそろ違う優勝校が見たかったりしますが、強い駒沢を破ってこそ面白いわけなので、来年もがんばってください!

対照的だったのは、早稲田でした。 アンカーは区間新で走りこんだにもかかわらず、無念のシード落ちです。 テープを切りながら胸の前で手を合わせ、チームメイトに詫びる姿に胸が詰まりました。 迎えるチームメイトたちは凍りついています。 泣き崩れるアンカーを囲み、無言で立ち尽くす一団。 彼らのほとんどは自己のベストをつくせなかったのです。 慰める資格さえ失った彼ら。 自責や無念や後悔が心のうちで渦巻いていたに違いありません。 見ているのがつらいほどの光景でした。

夕方、チームメイトたちが冷たいと、非難している人がいることを知りました。 冷たく、見えましたか。。。 かける言葉を失って、同僚の震える肩を見つめるしかないつらさが、見えませんでしたか。。。 やさしいとか、冷たいとか、わっかりやすい感情しか理解できないのは、ちょっと困ったものですよ。 人生経験が足りなさすぎますよ。 上質の映画やドラマ、たくさんの本を読んで、いろんな疑似体験をしてみましょうよ。 

。。。と、書評ブログで書いても本を読まない人には読んでもらえないわな。。。

トイレの床に

昨12月に、弟夫婦がマンションを買ったので、そのお祝いを兼ねて皆で訪問してきました。

築20年の我が家がイヤなわけではありませんが、新築はやっぱりいいなぁ。。。 ゼロから配置していく楽しさがありますよね。 それに、設備も日進月歩ですし。 ディスポーザーなんかは別に羨ましくないですけど、お風呂場の床が例のすぐ乾くやつなのが気に入りました。 友人宅で経験済みですが、冷たくないし、本当にすぐ乾くんですよね。 浴室乾燥機もあるから、カビ知らずだな! 母など、床暖房に驚き、オール電化のキッチンの驚き、玄関を通っただけで灯りがついたと驚き。 寿命が延びたんじゃないかしら。

私が驚いたのは、トイレです。 いや、ドアを開けたとたんに目に飛び込んできたのがぬいぐるみの山だったんです。 床に。 直に。 山のように。

毎日掃除していたって、トイレの床には物を置きたくないなぁ。。。 男性が立ってすると、非常に飛び散るものなんですよね。 以前、TVの実験でみました。 腰の高さの壁まで飛沫が! 男性が悪いわけじゃないですけど、あう!です。 床に座らされた30体以上のぬいぐるみたちは、毎日その飛沫を浴びている可能性大です。。。 それに、毎日一体一体どかして掃除しているとも思えず。。。

義妹よ、あなたの国ではそれが普通なんでしょうか? 私が気にしすぎなのかもしれないですが、トイレの床にはぬいぐるみに限らず掃除用具以外には置きたくないなぁ。。。 どうでしょう?

良いお年を

毎年、時の早すぎる経過を嘆くだけで、何の成長もないまま馬齢を重ねてきた私。 今年もまた、そんな一年だったというしかなさそうですが、このブログを立ち上げたのは数少ない良い事のひとつです。

まだ、どうしてもホンネを出せないでいますが、来年はなんとか率直な自分というのを見つめてみたいと思います。

それにしても色々なことがあった一年でした。 むか~しの歌で、ばんばひろふみさんの「さちこ」(表記はこれで正しかったかしらん?)に、幸せは片手で数えても指が余るのに不幸せは両手でも足りない、という意味の歌詞がありました。 人生なんてそんなものかもしれませんが、 今年不幸せだった人には来年の幸せが一つでも多くありますように。 ちなみに、私の今年の良いことは西武ライオンズの日本一!だったりします。。。 

来年もどうぞよろしく。 よいお年をお過ごしください。

ちゃんと使って!

http://www.asahi.com/national/update/1213/026.html

もうちょっと経ちますが、こんな記事がありました。 死後予定も含むとはいえ、10億近くを寄付するというのは大変なことです。 自治会で回ってくる共同募金の金額にも悩む自分としては、ケタの違いに目を白黒するばかりです。 「こんな人間もいるのを知ってもらい、社会が明るくなれば」というご発言には、谷亮子選手テイストも感じますが。 それはおいといて。 

どのような経緯で集まろうと、いざ困った人のもとに渡れば、お金というのはちゃんと生きてくるものです。 ええ、ちゃんと届けば。

寄せられた寄付には、住宅など2軒(評価額2億7000万円)が含まれていたとあります。 が、先日TV「とくダネ!」で調査したところ、このうち少なくとも1軒は赤十字の 社宅 になっているのです。 そりゃ、職員だってお屋根のついたおうちが必要でしょうよ。 でも、豪邸じゃなくてもいいでしょう? なぜその住宅を売ってそのお金を有効活用しないのでしょう? 寄付を呼びかけるTVに出演して、自分はたんまりギャラを貰って帰るタレント(一部そういう人がいる?)じゃないんだから! 

寄付した方は、そのお金で自分の銅像を建ててもらえたらうれしいとおっしゃっていましたが(!)、そのほうがまだマシかも!  。。。いやそれはry

誰でもない男の裁判 / A・H・Z・カー

カーといえば、ジョン・ディクスンしか知らない私が、「このミス2005年版」を見て予約した本です。 短編の名手でありながら、作品集がでたのは今回が世界初とか。 

全部で8篇です。 巷の評のとおり、エリンやダールを思わせる奇妙テイストの設定が多いのですが、着地は意外と身近な感じで読後感が良いと思います。 特に、「黒い小猫」「猫探し」「姓名判断殺人事件」は、前向きな印象です。 表題作は話の成り行きはほぼ想像がつくのですが、底に至る過程と、ラストの皮肉な展開にうなります。 結局奇跡は。。。

登場人物がよく書き込まれた小説が好きなのですが、この作者はあまり書き込みません。 もっとも短編だからアタリマエですが。 それなのに、ひとりひとりの人となりがよく伝わってくる文章でした。 ストーリーは勿論の事ですが、こういうところも名手と言われた所以なのでしょう。 

目が痛い。

今日は初雪が降りました。 雪の日の静かさって、好きです。

ここ数日、パソコンの画面を見ていると目が痛くなります。 明るすぎるのかと思って輝度を下げてみたりしているのですが、効果なし。 思いっきり力を込めて寄り目をし続けたときみたい。 次に吐き気がしてくる。。。 きっと、疲れ目なんだな。。。

読書好き、映画好き、野球観戦好き。 どれもみんな目を使う。 目は大事にしなくっちゃ!

ロゼアンナ / マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー

スウェーデンの人が書いた小説を読んだのははじめてかも。。。

1965年に書かれていますが、その割には古く感じませんでした。 尾行する際に公衆電話を使っているらしいところなどはありますが。

87分署シリーズとよく並び評されるそうですが、なるほど主人公マルティン・ベック(おお、この名前はよく聞いた!)以外にも、個性あるサブキャラがいっぱい。 同僚たちは言うに及ばず、1本の電話と電報だけでいい味をだしているカフカ警部など。 

殺人の被害者ロゼアンナは、死者としてしか登場しません。 ベックたちの試行錯誤のすえ、少しずつ生前の姿が浮かび上がってくるのです。 刑事たちは、被害者を人間としてみつめ、犯人をも特別視しません。 不眠と胸のむかつきと家庭不和を抱えつつ、にじるように前進するベックらの姿が印象に残ります。 

シリーズは10作あるそうです。 全部、読んでみよう!

正月用本第2弾

MOMENT / 本多孝好
リピート / 乾くるみ
赤まんま / 北原亞以子
ブッシュ・ファミリー / キティ・ケリー

一応、1998年以降の読書記録をつけてはいました。 が、頭には入っていないので、図書館で予約するときにその作家のどの本まで読んだのか、分からなくなることがしばしばです。 調べないまま2年がたって、「MOMENT」ようやく読めます。。。 アルファベットタイトルは、特に弱いのです。 前回借りた「夜の明けるまで」は2度目であったことが判明しました。 トリあたまだよ。。。

卵のふわふわ-八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし / 宇江佐真理

憧れの隠密同心椙山正一郎のもとへ嫁いだのぶ。 が、子が産めないまま6年が過ぎ、心が通わない夫婦となっていることに気づく。 口は悪いが情の深い義母ふでと、呑気で食道楽の義父忠右衛門との関係は大切に思っているが、のぶは離縁を考えている。。。

のぶの気持ちは判るけれど、なにせ彼女自身がまだ幼い面を持っています。 恐ろしいほどの偏食にもそれは表れていて、正一郎のいらいらも判らぬでもない。 見事なほどのすれ違い、どっちもどっちの夫婦---。 なかなかにじれったい想いでした。 表題作「卵のふわふわ」ではなかなかいい雰囲気にもなるのですが、一度こじれたものは総簡単には戻りません。 ラストは。。。

二人を見守る義父母、借家人の今助が絶妙です。 この人たちに囲まれて暮らすのぶを羨ましく感じますが、実際には私の周りにもこういう人たちがいて、ただ私が気づけない「たわけ」なのかもしれません。 人間関係で意固地になりやすいところなど、のぶにそっくりかも。。。 うぅ。 なにやら反省してしまう一冊でした。

追記:「水雑炊」はいちどやってみねば!

僕たちの戦争 / 荻原浩

ノーテンキでサーフィン好きの現代青年健太と、昭和19年に戦闘機乗りを目指して訓練中の吾一。 二人は事故をきっかけにお互いの立場にタイムスリップしてしまう。 

何事もかわすように生きてきた健太が、持ち前のポジティブシンキングで、軍隊内のイジメやしごきを乗り越えていきます。 しかし、時局は終戦間近。 運命は健太を特攻隊員として捉えます。 かわす事はできません。 未来に残してきた恋人ミナミと再会するために、なんとか生きて元の時代に帰りたい健太。 が、状況はどんどん不利になっていきます。。。

一方、国に命を捧げる覚悟と、結核で死んだ妹の面影を胸に秘めた吾一。 気ままに消費生活を謳歌する人々に戸惑います。 この在り様は何だ。 自分たちが命をかけて守ろうとしていたのは、何だったのか。 未来を知った吾一は戦争の終末を変えるべく、やはり元の時代へ帰ろうと努力します。 「恋人」ミナミに未練を感じながら。

二人とも状況は悲惨ですが、綴られるエピソードは明るく語られます。 健太の陽気さ、吾一の誠実さに心和みます。 だからこそ、二人の想いに時折胸を揺さぶられるのです。 そしてラストへ。 うわ、そうきたか。 

傑作です。