誰のための綾織 / 飛鳥部勝則 | ぶちぶち日記

誰のための綾織 / 飛鳥部勝則

昨日、途中経過を書いた本作を読み終えました。 盗作うんぬんは置いておきます。 なんせ、「メモ」が紛れ込むという釈明がぴんときません。 自分が生み出した文章と、他人が書いた文章がわからなくなるものなのか、それからしてシロートにはわかりませぬ。


この作家の著作は、「殉教カテリナ車輪」「バラバの方を」を読みました。 いずれもタイトルからは惹かれないのですが、おもしろいという話を聞いて手をだしました。 結果、面白い面があるような気もするけれど、作品世界に馴染めず楽しめずにいました。 実は、本作もそうでした。


内容が激しいわりに、心に響かないせいだと思います。 前述の2冊のことはすっかり忘れましたが、本作でも、殺人や誘拐に至る動機に愛情があったことが判っても「そうですか」という感じ。 ラストで禁じ手すれすれ(?)のどんでん返しがあっても、「へぇ、そうなんだ」で終わり。 構築してきた世界がパタパタと反転するような鮮やかさがありません。 


冒頭に掲げられた絵が、思ったほど内容に関わってこなかったのも残念です。 おもしろそうだと思う理由の大部分が、実は絵から謎を解く話だと思い込んだからなので。 おまけに、左に書かれた女性が、友人にそっくりで怖い。。。


ミステリとしての評価はわりと高いようですが、どうもこの作家は読者を選ぶようです。 私は、選ばれない方かな。 以降は遠慮しようかな。