おまけのこ / 畠中恵 | ぶちぶち日記

おまけのこ / 畠中恵

いつにも増してほんわかした、若旦那シリーズ第4弾。 待ってました。


このシリーズは、読む前にとっくりと表紙を眺めます。 鏡に映る幼いころの?若旦那。 何かをくわえた鯉。 おわんの舟に乗った家鳴。 毛皮のパンツをめくられちゃってる家鳴。 お化粧している家鳴。 きれいなおねえさん。 たんこぶを作った男の人。 見返しも忘れずのぞく。 しっかり内容を表す絵なので、物語を想像するのが楽しいのです。 読後、な~るほど♪ともう一度絵を見るのも、忘れちゃなんない楽しみです。


ベテラン虚弱体質の若旦那と、彼を慕い守る妖たちの世界も、そろそろ偉大なるマンネリへ向かいつつあるようです。 でも、このシリーズはそれでいいのです。 水戸黄門みたいなものです。 それでも、今までは端役だった妖にスポットがあたる話(家鳴の大冒険! 屏風のぞきによるカウンセリング!)があったり、まずい菓子しか作れない菓子屋の跡取り息子栄吉にライトがあたったり、奥行きがでてきました。 


独特の擬音や、のんびりとした間合いの文章で、ふんわりまったりとした時間をもらいました。 重い内容の本を読むのが大好きですが、そればっかりはとても読めません。 心を軽くしてくれるこんな一冊も、とっても大切。