さよならバースディ / 荻原浩 | ぶちぶち日記

さよならバースディ / 荻原浩

おもしろそうな導入部と、かわいらしいボノボのバースディに引っ張られてどんどん読みましたが、肝心の事件が起きてからがいまいちのれませんでした。


バースディがとてもいきいきと描かれているのに比べ、人間の気持ちが単純に描かれすぎているように思えます。 真面目で純粋な学者が主人公である弊害でしょうか。 いい人なのはわかるけれど、面白みに欠け意外性もありません。 


タイトルからおよその結末は想像がつくし、真相もわかるけれど納得しきれない微妙な感じ。 山本周五郎賞受賞第一作を出さねば!と焦ってしまったのでしょうか。 荻原浩ならもっとうまく書けるはず(えらそうに!)だと、惜しい気持ちです。