蒲公英草紙 常野物語 / 恩田陸 | ぶちぶち日記

蒲公英草紙 常野物語 / 恩田陸

私が恩田陸を好きなのは、「光の帝国」を書いたから。 そのシリーズ第2作です。 涙と鼻水でぐちょぐちょになりながら読みました。 「蒲公英草紙」を書いてくれたから、やっぱり恩田陸が好き。


「Q&A」「ユージニア」はあるひとつのことについて大勢がなす証言を積み上げる形で書かれています。 もしかしたら、この常野シリーズもスケールの大きな証言形式のようなものなのかもしれません。 様々な時代の様々な場面で現れる常野の人々をばらばらに書いていって、最後に壮大な全体像があらわれるのかも。 だとしたら、これは恩田陸のライフワークなのかもしれません。 読者も一生かけて読むことになるのかも。 それもいいなぁ。


ある作中人物の行動で泣きました。 行動そのものではなく、そこに至るまでの人生と想いにどうしようもなく泣きました。 ほとんど慟哭しました。 哀しいけれど幸せ。 想いが伝えられていくこと。 そしてそれを覆していくもののこと。


次作が読めるのは、いつなのかー!