黒笑小説 / 東野圭吾 | ぶちぶち日記

黒笑小説 / 東野圭吾

ブラックな笑いに満ちた短編集。 


出版業界(特に文学賞関係)を舞台にした作品がいくつか。 5度直木賞を逸している著者の気持ちは、果たして作中の作家のようなものなのでしょうか。 思うに、悔しさが無いことはないのでしょうが、どちらかと言えば周囲が期待する残念賞作家の姿に自分を重ねて笑わせてくれているのでしょう。 そのあたり、憶測だの邪推だのにまみれながら大笑いで読ませていただきました。
 重いものから超軽いものまで、東野圭吾の守備範囲の広さにはつくづく感服です。


他、「ストーカー入門」「笑わない男」「臨界家族」のラストにうなりました。 あり得ない話を描いているのに、ラストで浮かび上がるのは「ありそうな怖さ」なのです。 笑いが一瞬凍りました。 


なお、「シンデレラ百夜行」は、「百夜行」を読まずによんではイケマセン。