フライド・グリーン・トマト / ファニー・フラッグ | ぶちぶち日記

フライド・グリーン・トマト / ファニー・フラッグ

 :ネタバレ:

 ラストが映画と逆! まさかニニーが死んでしまうとは。 それでいて、漂う余韻は映画も小説もあまり変わらない印象でした。「どこかできっと生きている」イジーを想ってニニーとエヴリンがふんわり微笑む映画に対し、墓地で泣くエヴリンと白髪にツナギの姿で兄とコーラを売っているイジーの確固たる存在感の違いはあっても。

 他にも細かい点で映画とはずいぶん違いました。 バディの死の場面、ルースの死の時期、ベネット殺害に関わること、etc... それでも、やはり印象は同じです。映画の方が(当然ながら?)個々の出来事を劇的に扱っており、小説が新聞記事を織り交ぜて淡々と語られる違いはあっても。

 流れ的には映画がおもしろかったと思います。 しかし、小説もまた捨て難い味がありました。 主要登場人物以外の家族や街の人の様子がそこかしこにちりばめられ、時代の雰囲気が立ち上がってくるようでした。 イジーとルース、エヴリンとニニーの物語でありながら、ちょっとした大河ドラマの趣です。 古き良きアメリカ。 差別の国アメリカ。 

 一つ映画と決定的に違ったのは「トゥワンダー!」
映画ではエヴリンの目覚めの象徴であると感じていたのに、小説では歪みつつある心に巣くうものでした。 映画のほうがちょっと爽快。 かなりやりすぎだけど!

 原作も映画も大好きといえるのは、ちょっとめずらしいと思ったのでした。